幸福論
ただ私は彼の選ぶ言葉や思想が好きだ
だから私は彼に本でもなんでも書いて欲しいと言ったが、面倒臭いと言われた そうだろうな
宮沢賢治、あんなにもすごい人が現在は骨ですらないのだから自分はもっと何にもならなくて、それだったら近くにいる人間に少しでも何か残ればそれでいいと彼は言った
私は彼の言葉や思想を記録しなくてはいけない
本当は自分のものだけにしておきたいけれど、好きな人たちに見せたいとも思う
世界は繋がっている、無造作にぶちまけられたパーツを線で繋げていくのが、今は楽しくて仕方がない
彼の好きだと言ったミュージシャンを、あの子が聴いていたと言う
彼女から聞いたことがあった作家の名前が、彼の口から出てくる
面白い、面白い
彼に私の歌を聴かせたい
彼がそれを好きだと言わなくても聴かせたい