そして誰もいなくなった

恋人と付き合って3年が経った 別れようと思った

 


さみしくて、苦しくて、泣いていた

何にも言わないでいてくれた君が好きだった

好きだったところは嫌いなところになる

あの時君がちゃんと目を覚まして「どうしたの、大丈夫?」と聞いてくれたらね


恋人なんだったらそうしてよ、と思う そういう期待をもうしたくない だから恋人なんて要らないと思った

 


誰にも期待したくない 変わらないものなんてない 永遠も絶対も存在しない

 


あの人が口に出した作品は全部買い揃えたし観たし聴いた そうすれば近づけると思ったから そしてそれらを私は愛し私の全てになった これであの人と話せる

やっとのことで追いついたと思ったらもう君はそこにいない

君の「一番好き」を君はいつも忘れているから私の「一番好き」が否定される

 


この人の本、一時期めちゃくちゃ読んでたな

知ってるよ、初めて会った日に君が好きだと言ったから私は今だって愛読してるのに

 

みんな私を置いていく だからもう期待したくない 君が愛したものを愛しても、君は私を汲み取ってくれないから

 


じゃあ私が愛するものは何?

 


ないの?