好きの分類

恋はその時その人に会った瞬間に、衝動的に、ものすごく大きな力で爆発するみたいにするものだと思っていた

 


私の中で彼の存在が大きくなりすぎて、遠くて、美しくて、会ってしまえばがっかりするだろうな、どうでもよくなるだろうなと考えながら3年近くが経った


私には好きな人がたくさんいる

恋愛、友達、家族なんかのくくりだけでなく、もっと細かく、私の「好き」は分類されている

恋人を好きでいられる時、男友達としか何もしなくない時、女の子のことしか考えられない時、

色んな「好き」に気を取られているうちに、今なら会えるな、と思って3年振りに連絡をした

ご無沙汰しております、お元気ですか、話しがしたいです、それだけのことを文字にして彼の携帯電話に映すまでに何日もかかった


思っていたよりすぐに、あっけなく返事は来て会う日を決める 電話をする

この間私は一度として「会いたい」と言えなかった


カレンダーを開いて彼の名前、時間、場所を書いてしまうと全てどうでもよくなった

 


彼は確かにそこにいた 生きていた


それ以外に欲しいものなんてこの世界にあるんだろうか

その時はそう思った