ピアス

先日、通算で言うと11回目のピアスを開けた


初めてピアスを開けたのは高校1年生の時で、例の「レモンケーキ」の男が消えた後だった

彼や周りの人間が嫌がることをすれば変われると思ったから、

自分なりの覚悟、けじめだった


気づいたらピアスのホールは二つ、三つと増えていき今は9個開いている

 


あの瞬間だけ、生きていることを感じる

然して痛くはないのに血がダラダラ出てくる


開けてしまえばあとはどうでも良くて、可愛いピアスなんかはほとんど持っていないし何も付けない

 

私はいつも大人しいような顔をして生きているので、大人や男性はピアスを見て嫌な顔をする

祖母は、私の耳を見ていつも気持ち悪い、と言う

正しいと思う


自分を傷付けることでしか、生きていることを思い出せなくなった

酔っ払うと友達と笑いながらリストカットをした

本当に楽しかった

私は酔っ払うと左手の甲や手首を噛む癖がある

 


暗闇でスマホのライトをつけて、指で押さえると真っ赤になる あれも生きているなあと思う

 


彼はリストカットや刺青を見ると萎えると言っていた

 


彼が触れた右耳のピアスの冷たさが、どうしても忘れられない